ノーベル賞のパロディであり、「人々を笑わせ、そして考えさせる業績」に贈られるイグ・ノーベル賞が2020年9月17日に発表された。今回選ばれた10部門には、京都大学の西村剛准教授をはじめとする国際研究チームも含まれている。
西村准教授らは「ヨウスコウワニをヘリウムガスに満ちた密閉空間の中でうならせた」ことを評価され、音響学賞を受賞した。研究チームによれば、ワニにパーティー用のヘリウムガスを吸わせたのは初めての試みで、ヘリウムと酸素の混合ガスを吸ったワニは、通常より声が高くなることが分かった。これは、ヒトやトリと同じようにワニも声道を共鳴させて発声していることを意味している。また、恐竜も同じような発声方法だった可能性を示唆している。
心理学賞は「眉毛からナルシストかどうか見分ける方法」を考案したチームに贈られた。人は顔のパーツの中でも眉毛の特徴から、相手がナルシストかそうでないかを判断していると発見した。眉を太く、濃くしている人ほどナルシストかもしれないということだ。
物理学賞は「生きたミミズを高周波で振動させる実験」をしたチームに贈られた。ミミズの振動は水面の波紋に似ていて、今回の結果は神経パルスの伝達の解明に役立つという。
そのほか、平和賞、経済学賞、経営学賞、昆虫学賞、医学賞、医学教育賞、材料科学賞の発表があった。なお、例年の授賞式はハーバード大学のサンダースシアターで開催されるが、30回目の今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン授賞式となった。受賞者には、ペーパークラフトのトロフィーなどが贈られた。