ヤンマーホールディングスは2020年12月14日、同社グループのヤンマーパワーテクノロジーが、排気量1.6L/2.1Lの高出力産業用立形水冷ディーゼルエンジン「3TN86CHT」(3気筒)および「4TN86CHT」(4気筒・冒頭の画像)を開発したと発表した。
今回開発したエンジンは、高出力化に向けてエンジン各部の強度が向上したほか、新たなターボチャージャマッチング設計を採用している。同社のTNVインタークーラ付き同排気量モデルと比較して、3TN86CHTで20%、4TN86CHTで14%の高出力化を実現した。
サイズは、3TN86CHTが775×541x762mm、4TN86CHTが911x546x760mmと小型で、作業機への搭載性を向上した。排出ガス後処理装置も小型で高出力なため、顧客の作業視認性や居住性の向上に寄与する。
排ガス後処理装置には、PMを捕集する同社独自のDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター:ディーゼル排出ガス中の粒子状物質を除去するフィルター)システムを採用した。軽負荷から重負荷まで、高地や低温下といったさまざまな作業条件下において作業を止めずに運転を継続することができる。また、DPFクリーニングサービスは6000時間のロングインターバルを実現した。
3TN86CHTは乾燥重量が200kgで、4TN86CHTは247kg。両製品ともに欧州排出ガス規制「EU StageV」および米国排出ガス規制「EPA・CARB Tier4」に準拠した。3TN86CHTは既に2020年10月より量産を開始しており、4TN86CHTは2021年4月に量産を開始する予定となっている。