リチウムイオン二次電池の材料世界市場、2022年には2.5倍の4兆5千億円に――大型用途で需要が拡大 富士経済調査

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富士経済は2019年4月22日、xEV向けやESS(電力貯蔵システム)向けなど、大型用途を中心に市場が拡大しているリチウムイオン二次電池の材料市場について調査し、その結果を「2018 電池関連市場実態総調査 No.3」にまとめたと発表した。同調査では、リチウムイオン二次電池材料12品目をはじめ、その他二次電池材料4品目、一次電池材料4品目、金属資源・出発原料3品目の計23品目を取り上げ、市場動向をまとめた。

二次電池の材料市場はリチウムイオン二次電池材料のけん引により拡大する見込みだ。リチウムイオン二次電池材料は、IT機器向けなどの小型民生用途の伸びが市場成熟によって鈍化しているが、xEV、ESS・UPS(無停電電源装置)・BTS(携帯電話基地局)などの大型用途で需要が大幅に増加。今後も引き続き拡大するという。

同調査では、正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ、正極・負極バインダ、正極・負極集電体、外装材などを対象として、リチウムイオン二次電池の材料世界市場を分析。正極活物質、セパレータ、負極活物質、電解液の主要4材料が市場の80%以上を占める。大型用途におけるリチウムイオン二次電池の需要増加に伴い材料市場も拡大しており、2018年は前年比28.0%増の2兆3415億円に達すると見込む。2022年には、2.5倍の4兆5061億円まで拡大する予想だ。

これまで需要の大半を占めていた小型民生用途に比べ、大型用途はアプリケーション1台当たりのリチウムイオン二次電池の使用量が多く、材料の使用量も増加する。このため、各国の環境規制対応を背景としたxEVの市場拡大や再生可能エネルギー利用促進のためのESSの市場拡大に伴って、リチウムイオン二次電池の需要増加は材料市場の拡大に寄与している。多くの材料メーカーが、xEV向けリチウムイオン二次電池の一層の需要増加を見込んで、生産能力増強や新工場の建設を進めている。このため、今後も市場は拡大するという。

主要4材料それぞれの動向は以下の通り。

正極活物質は、コバルト酸リチウム、三元系、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、ハイニッケルが使用される。コバルト酸リチウムは、他材料に置換すると容量低下や電圧の変更が発生するため角型やラミネート型で安定した需要を獲得。また、リチウムイオン二次電池の充電電圧の高電圧化に対応するため、高電圧充電対応のコバルト酸リチウムの開発が進められており、今後の市場活性化が期待される。三元系は、これまでの小型民生用のシリンダ型のほかxEV用途で需要が増加。xEVでは航続距離の延長や電池のエネルギー密度向上要求から、容量の大きい三元系の需要は今後も増加するとみる。マンガン酸リチウムは、中国のEVトラック用途で鉛蓄電池からリチウムイオン二次電池への置き換えが進んでいることなどから需要が拡大している。リン酸鉄リチウムは中国のxEV乗用車、EVバスなどの大型電池用途が主流だ。中国以外でも徐々にリン酸鉄リチウムの使用が浸透してきており、欧州自動車メーカーのアイドリングストップ用電池などで採用されている。近年はマンガン酸リチウムや三元系の構成比が高まっているが、ESS用途で需要の増加が期待される。ハイニッケルは、TeslaのEV用途で需要を獲得し拡大。この他にも充電式電動工具に使用されており、高容量化の進展によってハイニッケルの採用が増えている。

負極活物質もxEV市場の伸びによって拡大。主に黒鉛が使用されているが、激しさを増している電池の高容量化要求に対応するため、黒鉛よりも容量の大きい新たな材料が探索されている。候補材料の1つとしてシリコン系材料が注目を集めており、実用化に向けた動きが加速している。

電解液は電解質塩に有機溶媒と添加剤を混合させたもので、xEV市場の伸びによって拡大している。電解液は、化学物質規制で欧州への持ち込みが困難であることや、輸送に時間がかかり品質保証面で懸念があることなどから、地産地消が適切だと考えられている。このため、中国・韓国・日本のメーカーによる欧州生産が増加すると見込まれる。

セパレータは、電池の正極と負極を電気的に絶縁するために使用される。加えて、電解液を担持する役割も持っている。現在の主流はPO(ポリオレフィン)微多孔膜だ。耐熱性や耐酸化性を向上させた安全性の高いコーティングセパレータの需要がxEV用で増加している。

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