- 2024-2-7
- エンジニア調査, 制御・IT系, 化学・素材系, 機械系, 転職・キャリアアップ, 電気・電子系
- SNS, まとめサイト, インターネット, エンジニア, テレビCM, ハローワーク, 企業のホームページ, 動画広告, 口コミサイト, 新聞・雑誌, 転職, 転職サイト
調査結果のポイント
- エンジニアの約5割が「ハローワーク」「転職サイト」で転職先を決定
- 30代は「ハローワーク」より「転職サイト」、年収401万以上でもトップ
- 約8割が「意識したとき」「行動を始めたとき」に転職サービスブランドの利用を開始
- 最も利用した転職サービスブランドの情報は、「テレビCM」「インターネット」から入手
- 転職サービスブランド選びは「知名度」を最も重視。30代は重視した点が多め
- 転職先を選んだ理由は「給与がいい」がトップ、20代は「副業・兼業」にも注目
- 「年収が上がった」エンジニアは約5割、20代は約8割がアップ
- 「転職サイト」で年収がアップしたエンジニアは約6割、下がった人は「希望の勤務地」だから
調査概要
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、転職経験のある20~59歳のエンジニア477人を対象に、「転職」に関するアンケート調査を実施しました。
少子高齢化などによる構造的な人手不足から、転職市場は今後も売り手市場が続くと見られています。転職者数は増加傾向にあり、「fabcross for エンジニア」で実施した調査でも、転職経験のあるエンジニアは2019年比で1.7ポイント、一般層は同3.8ポイント増加していることが分かりました。
今回は、実際に転職をしたエンジニアが、転職を意識してから転職先を決めるまでの実態を調査。転職先を決めた転職サービス・手段、利用した転職サービスブランドを選ぶ際に重視したこと、入社の決め手、転職後の年収変化などについて調べました。
調査結果サマリー
エンジニアの約5割が「ハローワーク」「転職サイト」で転職先を決定
転職経験のあるIT系エンジニア208人と製造系エンジニア170人(電気・電子系:56人、機械系:101人、制御・ソフトウェア系:13人)、素材・化学系エンジニア32人、生産技術・製造技術・品質管理関連職67人の計477人に対し、転職先(現在の勤務先)を決めた際に利用した転職サービス・手段について聞いた。
・最も多かったのは「ハローワーク」(27.7%)で、次いで「転職サイト」(25.2%)、「縁故・友人の紹介」(14.3%)となった。「企業の採用ページ」から直接転職先を決定した人は、6.9%にとどまっている。
30代は「ハローワーク」より「転職サイト」、年収401万以上でもトップ
転職先を決めたときの転職サービス・手段について、年代や職種、地域、年収別に集計した。
・20~30代は「転職サイト」で転職先を決めた人が多く、特に30代は「ハローワーク」(24.0%)よりも「転職サイト」(34.4%)が高かった。
・50代では、「縁故・友人の紹介」(20.2%)が「ハローワーク」(26.0%)に次いで多かった。
・エンジニアの職種別でみると、「ハローワーク」がトップとなったのは、電気・電子系エンジニア(44.6%)、機械系エンジニア(34.7%)、素材・化学系エンジニア(31.3%)、生産技術・製造技術・品質管理関連職(41.8%)だった。IT系エンジニアは、「転職サイト」(32.7%)が最も多くなっている。
・エンジニアが居住する地域別では、東北地方(64.3%)、近畿地方(29.7%)、中国地方(50.0%)、四国地方(50.0%)、九州地方(42.9%)では「ハローワーク」の利用が最も多かった。関東地方(27.6%)と中部地方(32.6%)は「転職サイト」がトップだった。
・また、転職前の年収から転職先を決めた転職サービス・手段を集計したところ、200万円以下(71.4%)と201万~400万円(39.9%)のエンジニアは「ハローワーク」の利用が最も多かった。401万円以上では、「転職サイト」がトップになっている。
約8割が「意識したとき」「行動を始めたとき」に転職サービスブランドの利用を開始
転職経験のあるエンジニアを対象に、転職サービスブランド(※)の利用を開始した時期を調査した。
(※)転職サービス・手段のうち、人材派遣会社や総合人材サービス、転職情報サイト、転職口コミサイト、スカウトサービスなど各社の転職サービスブランドを対象とする。
・転職サービスブランドの利用を開始したのは、「転職を決意して具体的な行動を始めたとき」が40.3%、「転職を意識したとき」が38.6%%で、転職したエンジニアの約8割を占めた。また、15.1%の人が「転職意思に関係なく、情報収集として常に利用している」ことが分かった。
・転職活動を開始してから現在の勤務先に応募するまでの期間は、「1~2カ月未満」が20.1%で最も多かった。「2週間~1カ月未満」は15.5%、「2カ月~3カ月未満」は12.2%、「3カ月~半年未満」は9.9%で、活動開始から半年以内に応募したエンジニアが約7割を占めた。半年以上活動した人は約1割にとどまっている。
・また、転職活動中に対話型AIサービス「ChatGPT」を活用したか聞いたところ、「活用したことがある」エンジニアは13.0%だった。年代別に活用率をみると、20代は32.0%、30代は22.9%、40代は12.0%、50代は5.8%となっている。
最も利用した転職サービスブランドの情報は「テレビCM」「インターネット」から入手
転職活動中に最も利用した転職サービスブランドについて、その情報をどこで知ったか調査した。
・トップは「テレビCM」(26.6%)で、次いで「インターネットでの検索」(26.2%)、「インターネット広告」(18.0%)が多かった。
・20~40代は「テレビCM」(20代:40.0%、30代:38.5%%、40代:27.9%)が、50代は「インターネットでの検索」(24.3%)が最も多かった。
・20代は「インターネット広告」(36.0%)、「SNS(X、Facebook、Instagram等)」(16.0%)、「まとめサイト」「新聞・雑誌」(同率12.0%)が、30代は「インターネットでの検索」(33.3%)、「動画広告」(19.8%)、「企業のホームページ」(14.6%)、「口コミサイト」(10.4%)が他の年代に比べて高くなっている。
・エンジニアの職種別では、「テレビCM」が電気・電子系エンジニア(26.8%)、機械系エンジニア(34.7%)、生産技術・製造技術・品質管理関連職(32.8%)でトップとなった。
・「インターネットでの検索」は、IT系エンジニア(27.4%)と制御・ソフトウェア系エンジニア(46.2%)、素材・化学系エンジニア(34.4%)で最も多かった。
転職サービスブランド選びは「知名度」を最も重視、30代は重視した点が多め
転職活動で最も利用した転職サービスブランドを選んだ際、エンジニアが重視した点を調査した。
・重視したポイントとして最も多く挙げられたのは「ブランド自体の知名度」で、24.1%だった。2位は「転職支援の実績」(23.1%)で、3位は「保有している求人案件数」(19.9%)となっている。
・「転職サービスブランド自体の知名度」は、20代(28.0%)、30代(34.4%)、40代(24.0%)でトップだった。
・50代は、「転職サービスブランド自体の知名度」「転職支援の実績」「保有している求人案件数」がそれぞれ17.9%でトップとなった。
・30代は「特に重視した項目はない」(9.4%)が他の世代よりも低く、「転職サービスブランド自体の知名度」をはじめ、「転職支援の実績」(36.5%)、「運営会社の知名度」(30.2%)、「サポート体制」(26.0%)、「保有している求人案件数」(25.0%)など、他の世代よりも重視した比率が高い項目が多かった。
転職先を選んだ理由は「給与がいい」がトップ、20代は「副業・兼業」にも注目
転職経験のあるエンジニアに対し、現在、勤務している会社を転職先として選んだ理由を聞いた。
・転職先を選んだ理由は「給与がいい」が最も多く、36.1%となった。他に、「希望した勤務地で働ける」(33.5%)、「希望した業界だから」(30.8%)、「正社員として働ける」(29.4%)が上位に入っている。
・年代別にみると、「給与がいい」は20代(48.0%)、30代(33.3%)、50代(34.1%%)でトップ、40代は「給与がいい」「希望した勤務地で働ける」(同率37.7%)が多かった。
・20代では、「正社員として働ける」(32.0%)、「副業・兼業ができる」(20.0%)、「SDGsや社会貢献ができる」(12.0%)が他の年代よりも10ポイント以上高かった。
「年収が上がった」エンジニアは約5割、20代は約8割がアップ
また、転職前の勤務先と比較し、転職後の年収に変化があったかを聞いた。
・転職後に「年収が上がった」と回答したエンジニアは53.3%で、「下がった」と回答した人は17.2%だった。
・20代は、76.0%が「年収は上がった」と回答。30代は60.5%、40代は56.2%、50代は42.8%で、年代が上がるにつれてその比率は下がっている。
・エンジニアの職種別では、制御・ソフトウェア系エンジニアの84.7%が「年収は上がった」と回答。次いで多かったのは、機械系エンジニア(58.4%)、素材・化学系エンジニア(56.3%)だった。
「転職サイト」で年収がアップしたエンジニアは約6割、下がった人は「希望の勤務地」だから
現在の職場に転職先を決定した転職サービス・手段から、転職前と転職後の年収変化を確認した。
・「ハローワーク」で転職先を決めた人のうち46.3%が、また「転職サイト」で決めた人のうち61.7%が「年収は上がった」と回答している。
一方、転職後に「年収は下がった」と回答したエンジニア101人を対象として、転職を決めた理由を調べた。
・年収が下がったというエンジニアでは、現在の勤務先に転職を決めた理由として「希望した勤務地で働ける」(40.2%)が最も多くなっている。他に、「希望した業界だから」(31.7%)、「正社員として働ける」(25.6%)、「希望した業務に携われる」「雇用が安定している」(同率19.5%)が上位に入った。
・「給与がいい」は17.1%で、6位にとどまった。
【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2023年10月23~24日、2023年12月15~22日
対象:全国のエンジニア477名
—メディア関係の皆様へ—
本調査データは、ぜひ記事などでご自由にご活用ください。
記事での紹介・引用時には、エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」調べ、など、調査元を明記ください。
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【エンジニア477人の転職意識調査】エンジニアの約5割が「ハローワーク」「転職サイト」で転職先を決定。転職サービスブランド選びは「知名度」を最重視、30代多要素に注目