6軸シングルパッケージの3D MEMS慣性力センサーを開発――作業現場用車両の自動運転化に寄与 村田製作所

村田製作所は2021年2月9日、作業現場用車両の自動運転化に向けた動的傾斜センシングおよび衛星測位システム(GNSS)を支援する6軸シングルパッケージ(6DoF)3D MEMS慣性力センサー「SCHA63T」シリーズを開発したと発表した。

同製品は、機械の位置や動きをcmレベルで検出する性能を有する。従来、cmレベルでの検出にはハイエンド慣性測定装置(IMU)モジュールが必要とされていた。

また、キャリブレーションによりコンポーネントレベルで他軸感度の誤差を改善することが可能で、温度変化含めての誤差は0.3度未満となっている。全測定軸の直交性を校正することで、ユーザーやシステムインテグレーターによる追加の校正を省略できる。

機械的衝撃や振動への耐性にも優れるほか、同社独自の自己診断機能を搭載しており、MEMS素子内部の動きから信号回路全体までの動作を検証できる。車載対応品と同様に、自動車安全水準のASIL Dシステム開発にも対応しており、先進運転支援システム(ADAS)や自律航法車両、衛星測位システム機器などの高精度化に寄与する。

アラン分散(底値)は室温下で~1°/h、ジャイロノイズ密度は0.0015°/s/√Hz、角速度測定範囲は±300°/s、加速度検出範囲は±6gとなっている。−40〜110℃の温度範囲で動作し、電源電圧は3.0~3.6V。パッケージは32ピンで、サイズが19.71×12.15×4.6mmとなっている。

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