低熱膨張の鋳鉄材料「ヒノGDインバー」シリーズを開発――微量元素の添加量制御により鋳造性/被削性を向上 ヒノデホールディングス

ヒノデホールディングスは2021年7月6日、温度変化による寸法変化を抑えた低熱膨張の鋳鉄材料「ヒノGDインバー」シリーズを開発したと発表した。

同社によると、現在産業分野で多く使われている鉄の線膨張係数(α)は12ppm(12×10-6)/℃で、100cmの鉄棒の場合10℃の変化で12×10-3cm変化する。この変化量は、ナノメートル単位での高精度が求められる半導体製造装置や工作機械においては重大となるため、熱膨張を抑制できる材料へのニーズは高まっている。

これまで鉄とニッケルの合金であるインバーや、それにさらにコバルトを加えたスーパーインバーなどの低熱膨張材料が開発されてきたが、それらの材料は棒や板形状でかつ難削性なため、特に複雑な形状や大型品に使用の際に加工負荷が大きくなるという課題があった。

今回開発したヒノGDインバーシリーズは、主要添加元素のC(炭素)、Si(シリコン)、Ni(ニッケル)およびSb(アンチモン)の配合比を最適化。これにより線膨張係数を低減させた。また、黒鉛を微細に分散させることで被削性を向上。さらに、異常黒鉛組織のチャンキー黒鉛の生成を抑制し機械的特性を安定させた。

同シリーズは、高剛性の球状黒鉛鋳鉄(FCD)系「ED2」(α=1.0~2.0ppm/℃)、鋳造性を高めたFCD系の「ED3」(α=2.5~3.5ppm/℃)、および高減衰、高被削性の片状黒鉛鋳鉄(FC)系の「EG3」(α=2.5~3.5ppm/℃)の3種類をラインナップした。

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