東京農工大、優れた正孔輸送特性を有するポリチオフェン系有機半導体材料を開発

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ポリチオフェン-ポリスチレンブロック共重合体の化学構造

東京農工大学は2018年8月31日、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とポリスチレン(PSt)からなるブロック共重合体が、高い正孔移動度を有することを発見したと発表した。

有機半導体材料は、軽量、フレキシブル、低コストといった利点から、太陽電池、有機EL、有機電界効果トランジスタなどの材料として大きく期待されている。有機半導体材料は、低分子材料と高分子材料に分類され、低分子材料は電子や正孔の移動度が高く、真空蒸着法などで製膜できる。一方、ポリチオフェン系をはじめとする高分子材料は、溶液塗布プロセスによる大面積化が可能といった特徴があるものの、低分子材料に比べると移動度が劣るという課題があった。

研究グループは今回、ポリチオフェンとポリスチレンからなるブロック共重合体を合成。この高分子の薄膜が、ポリチオフェン単独よりも3桁以上高い正孔移動度を示すことを見出した。そして、このブロック共重合体では、ポリチオフェンとポリスチレンのドメインが分離し、そのドメイン間に形成されたアモルファス領域が電荷の通り道を形成。高い正孔移動度を発揮していることがわかった。

高い正孔輸送特性発現メカニズムのイメージ

この成果は、有機半導体材料の開発において、正孔移動度向上のための有効なアプローチとして期待できるという。また今後は、分子量や化学組成およびそれらの違いがどのように正孔輸送特性に影響するか明らかにしていくという。

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