加工速度を約6倍に、CFRP製品量産化の一助となる炭酸ガス三次元レーザー加工機 三菱電機

三菱電機は2021年10月14日、軽量/高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用レーザー加工機として、三菱CFRP用炭酸ガス三次元レーザー加工機「CVシリーズ」2機種を10月18日に発売すると発表した。独自構造の炭酸ガスレーザー発振器と加工ヘッドを搭載し、従来では困難だったCFRP製品を量産する一助になる加工機だとうたっている。

CVシリーズの炭酸ガスレーザー発振器は、世界で初めて発振器と増幅器を同一筐体に統合したIntegrated-MOPA方式の三軸直交形。CFRPは炭素繊維と樹脂の融解温度が異なるため、急峻なパルス波形と高出力を両立することで加工を高速化。厚さ2mmの熱硬化性CFRP材板を切断して比較してみたところ、従来の切削加工では切断速度1m/minだったが、CVシリーズは6m/minと約6倍の加工速度を記録した。

今回、加工ヘッドも独自開発。高速のシングルパス加工や加工時に発生する高温の材料蒸気を効率的に除去できるように設計し、加工物への熱影響を低減。三次元形状の高品位な加工が期待できるようになった。また、レーザーによる非接触加工により、既存の工法に比べて工具などの消耗が少なく、廃液などの廃棄物も発生しない。ランニングコストを低減し、持続可能な社会の実現にも配慮した。

制御装置には経路編集専用CAMを搭載。加工機上で加工経路を修正できるため、段取りなどの作業効率を向上できる。また、IoTを活用した同社のリモートサービス「iQ Care Remote4U」により、発振器の状態や稼働状況の遠隔監視、予防保全が可能。標準で加工機全周カバーを装備しており、粉塵などによる作業環境への影響を低減する。

ML1515CV-12XMとML3122CV-12XMの2機種を展開。発振器出力は1.2kWで、目標販売台数は両機種合わせて年間100台だ。

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