- 2021-11-19
- 製品ニュース, 電気・電子系
- オール酸化物全固体Naイオン二次電池, リチウムイオン二次電池, 全固体Naイオン二次電池, 固体電解質, 日本電気硝子, 結晶化ガラス正極, 軟化流動性
日本電気硝子は2021年11月18日、世界で初めて、オール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の駆動に成功したと発表した。開発した全固体Naイオン二次電池は、出力電圧が3Vで、現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する高い実用性を有する。
同社は、新たに結晶化ガラスを用いた負極材を開発し、結晶化ガラス正極、固体電解質と一体化したオール酸化物全固体Naイオン二次電池を開発した。
同社の全固体Naイオン二次電池は、材料に資源量の豊富なナトリウムや鉄を使用。従来の電池技術で資源確保が問題とされているリチウムやコバルト、ニッケル等の希少金属元素を全く必要としないため、供給の不安がない。安定な物質である酸化物材料で構成されており、使用時や製造時に釘やナイフが刺さっても発火や有害ガスの発生の恐れがない。
また、優れた電池性能も特長の1つで、ガラスの軟化流動性を活用して正極、負極と固体電解質との一体化を図ることでイオン伝導性を高めており、低温で駆動する。さらに固体電解質は、イオン移動による劣化が小さくサイクル特性に優れている。シンプルな構造で、高電位系活物質の開発により、エネルギー密度の高い電池が作製できる。
同社は今後、オール酸化物全固体Naイオン二次電池の製品化に向けた取り組みを加速していく。