鋳造設備大手で、精密機器も手がける新東工業は2022年2月18日、同社の6軸力覚センサー「ZYXer(ジクサー)」の新製品として、2系統へのデータ出力が可能な「ダブル出力モデル」と、産業用ロボットの配線の自由度を高める「中空モデル」を3月1日から販売すると発表した。
ダブル出力モデルは、センサー本体から情報を制御データと情報データの2系統に出力でき、ロボットの動きを外部モニターに表示して、検証や見直しを可能にする。これによって、不具合が発生したときに原因を容易に解明できるようになり、情報データを同時に収集することで生産現場のIoT化も推進できる。
従来の一般的な力覚センサーは、2系統にデータを出力すると、ロボットの反応速度が遅くなり、生産量や生産工程に影響を与えるという課題があった。
一方、中空モデルはセンサー本体の中央部に配線用の貫通穴が開いている。この穴を通して、ロボット先端につながるケーブルをロボット内部に配線することで、配線の自由度を高め、見た目をスマートにできる。また、ロボットアームへの配線時に発生する荷重変化リスクも抑えられる。ZYXerは特殊な検知方式を採用しているため、こうした構造が可能となった。
従来のセンサーでは、ロボット本体に配線をはわせる必要があり、溶接などで発生する火花でケーブルが損傷したり、研磨や鋳造の際に発生する静電気で通信状態が悪化したりするリスクがあった。
同社では、3月9日から東京ビッグサイトで開催される「2022国際ロボット展」に、ZYXerのダブル出力モデルと中空モデルを展示する。