密林のような場所でも自律編隊飛行ができるドローンを開発 中国浙江大学

中国浙江大学の研究チームが、ドローンの群れが完全に自律飛行するために必要な技術を開発した。

ドローンは自然保護のための地形調査や災害時被害状況確認などさまざまな場面で活躍する。単体の飛行時間はバッテリー容量などにより制限されるため、鳥の群れのように編隊を組んで飛行すれば、効率よく情報を収集できる。また、重いものを群れで持ち上げて運ぶという使い方も考えられる。さらに、すでに実現されている遠隔操縦の単体ドローンのように、今後、自律編隊飛行のドローンが軍用化される可能性もある。

しかし、密林など狭くて障害物が多い場所での飛行はまだ不得意であり、都会など人が多い場所でのドローン同士による接触事故などの安全面を考慮すると、さらなる技術開発が必要と考えられている。

今回、浙江大学の研究チームが、10機のドローンの群れが竹林の中から飛び立ち、乱雑な枝や茂みの間、凸凹した地面の上を旋回しながら、自律的に最適な飛行経路を探って、竹林から抜け出せることを立証した。

手のひらサイズのドローンは、深度カメラと高度センサー、コンピューターを搭載している。最大の進歩は、衝突回避、飛行効率、群れ内での調整を組み込んだ巧妙なアルゴリズムだ。またこのドローンはGPSなどの外部通信基盤に依存しないため、自然災害のさなかでも使用できる。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校のロボット工学者Enrica Soria氏によると、ドローンの群れは過去にもテストされているが、障害物のない開けた場所か、障害物の位置がプログラムされた条件であった。ドローンの群れが不特定な障害物のある環境で自律飛行に成功したのは今回の飛行試験が初めてだという。

研究チームは、森とは別に交通量の多い地帯の実験で、人の先導に従ったり、他のドローンとの衝突を避けたりするための実験をさらに重ねている。

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