- 2022-5-28
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- IOS Press, Mark Benden, RSIGuard, コロナ禍, テキサスA&M大学, テレワーク, ナッジ(そっと後押しすること), ハイブリッドワーク, ハリケーン・ハービー, リマインダー, リモートワーク, レジリエンシー(危機に直面した際の回復力)
リモートワーク、テレワーク、ハイブリッドワーク。コロナ禍で多種多様な働き方に注目が集まった。職場を離れて働く場合、生産性や仕事の効率にどのような影響を与えるかが気になるところだ。
テキサスA&M大学の研究者らは、その疑問に答える研究結果を発表した。それによると、従業員と会社のレジリエンシー(危機に直面した際の回復力)はリモートワークで高まる、つまり、生産性には悪影響を与えないという。研究チームは、このことを自然災害によってリモートワークを余儀なくされた従業員が使う、コンピューターの使用状況から明らかにした。詳細は、2022年3月18日付けで『IOS Press』に公開されている。
2017年8月17日から9月2日、テキサス州ヒューストンは、カテゴリー4のハリケーン・ハービーによる大きな被害を受けた。記録的な降雨により洪水が発生し、テキサス州とルイジアナ州の避難者は1300万人以上、損失は1600億ドル(約20兆円)とも言われている。多くの企業が操業停止に追い込まれ、一部の企業は機能の完全喪失を避けるためにリモートワークを推奨した。
研究チームは、このハリケーンによってリモートワークを余儀なくされた労働者の生産性の変化を調べるため、ヒューストンの大手石油ガス会社の協力を仰いだ。調査に協力した企業はハリケーン以前から、従業員がコンピューターの使い過ぎで手首を痛めたりしないよう、適度な休憩を促すため、人間工学ソフトウェア「RSIGuard」を使って、1日のコンピューターの使用時間、キーボードの入力数、マウスのクリック数など、多数のデータを収集していた。
研究チームは、RSIGuardを利用して、ハリケーンが来る前、来た時、来た後の3期間の264人分のデータを調べた。ハリケーンの真っ只中では、コンピューターの使用時間は減ったが、7カ月のリモートワーク期間中は、ハリケーン以前のレベルに戻っていたという。調査結果は、本来の職場に戻れなくても代替となる環境があれば、生産性は比較的早く元のレベルに戻る可能性があることを示唆している。
「リモートワークやハイブリッドワークの是非が国民的な議論になっているため、今回の結果は雇用主にとって大きなメッセージとなる」と人間工学センター長のMark Benden氏は語る。
合わせて、今回のようなデータ追跡は、リモートワーカーの健康問題にも対応できるとしている。Benden氏は、休憩は仕事の質に影響しないと語り、「我々は、ゾーンに入ると、時間の把握がおろそかになる。身体を傷つけないように、我々にはナッジ(そっと後押しすること)やリマインダーが必要だ」と、適度に休憩をとることを促している。
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