- 2022-7-20
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- 3Dシリコンリチウムイオン電池, Enovix, Harrold Rust, グラファイト負極, サイクル寿命, シリコン, シリコン負極, 初回充電効率, 電気自動車(EV)
米Enovixが、負極材料に100%シリコンを用いた「3Dシリコン」リチウムイオン電池を発表した。0.27Ahの電気自動車(EV)用テストセルで、充電状態0〜80%をわずか5.2分で充電し、10分未満で98%以上の充電容量を達成する能力を実証した。
シリコン負極は、現在ほぼすべてのリチウムイオン電池に使用されているグラファイト負極に比べて、理論的には2倍以上のリチウムを蓄えることができ、次世代の負極材料として期待されてきた。Enovixは、初回充電効率やサイクル寿命といったいくつかの技術課題を克服して3Dシリコンリチウムイオン電池を開発した。
Enovixの共同設立者兼CEO兼社長のHarrold Rust氏は、「当社は多くのOEMロードマップの期待を上回るレベルの性能を実証することができました。EVメーカーは航続距離を長くするバッテリーを追求し、公共/民間両部門はEVドライバーによる急速充電器の利用向上に取り組んでいます。当社は、自動車産業の電動化を支援し、当社の電池が、EVに長い航続距離と急速充電を可能にするエキサイティングな選択肢になることを誇りに思います」と述べた。
100%シリコンを用いた負極材料にEVクラスの正極材料を組み合わせるという、3年間のエネルギー省補助金プログラムの一環として、同社の電池は、93%の容量を維持しながら1000サイクルを突破した。また、高温で6カ月間使用した後でも容量低下は最小限で、電池寿命は10年以上と見積もられている。