二酸化炭素を医薬品原料に変換――イギリスで産業規模の炭素回収プラント開設

英Tata Chemicals Europe(TCE)は2022年6月24日、イギリスで初となる産業規模の炭素回収/利用プラントを開設したと発表した。発電所から排出される二酸化炭素を回収し、高純度の医薬品原料へ変換することで、二酸化炭素削減と高品質材料の製造を両立させる。

TCEは、欧州最大の炭酸ナトリウム、塩、重曹メーカーのひとつだ。これら化学物質は、ガラス、洗剤、薬品、食品、飼料、水質浄化など、さまざまな用途に使われている。

同プラントで回収した二酸化炭素は、食品および医薬品グレードまで精製され、「Ecokarb」という名の重曹の原材料として使われる。Ecokarbは、主に腎臓病の治療用として、世界60か国以上に輸出される予定だ。

「二酸化炭素を回収、利用できる実証プラントの完成により、重要な原材料である高純度の二酸化炭素を確保し、製薬グレード製品の輸出拡大を促進しつつ、炭素排出量の削減を可能にする」と、Martin Ashcroftマネージングディレクターは語る。

同プラントでは、年4万トンの二酸化炭素を回収し、ネットゼロの重曹および、世界最小のカーボンフットプリントの炭酸ナトリウム製品を生成することで、炭素排出量を10%以上削減する見込みだ。同社は、2030年までに炭素強度を80%削減するとしている。

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