- 2022-10-9
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- 3Dプリンター, Cureus, Mimics, MNR Dental College and Hospital, QOL(生活の質), Ultimaker 2+, プラークコントロール, 歯ブラシ, 歯ブラシグリップ, 歯周病, 虫歯
インドのMNR Dental College and Hospitalの研究チームは、手に関節炎や麻痺などを抱える人でも歯ブラシを持ちやすいように、3Dプリンターで歯ブラシグリップを作製した。ユーザーごとに型を取って作るため、効果的に歯を磨くことができ、口腔衛生の維持やQOL(生活の質)の向上が期待できる。研究結果は、2022年7月21日付けで『Cureus』に掲載されている。
虫歯や歯周病の予防には、口腔内の適切なプラークコントロールが重要な役割を果たす。そのため、正しい歯のブラッシング、手指の細かな動きが必要だ。そのため、病気や加齢などで歯ブラシをうまく持てない場合、歯磨きは非常に難しい作業になる。
そこで、研究チームは、手になじみやすい歯ブラシまたは歯間ブラシ用のグリップを、安く簡単に作る方法を提案した。まず、シリコーンパテで覆った歯ブラシのグリップ部分を、ユーザーに握ってもらって手の型を取る。次に、型を3D医用画像処理ソフトウェア「Mimics」でモデル化し、3Dプリンター「Ultimaker 2+」で、ユーザーの名前入りグリップを成形した。補助パーツを介して、歯間ブラシもセットできる。
素材にPLA樹脂を採用したことで、高精度の形状、滑らかな表面、丈夫さを備えつつ、コストは約2500ルピー(約4400円)に抑えた。将来、形状を修正するときも最小限のコストと時間で対応できるとしている。