北極圏での作戦活動を支援――寒冷地仕様の連結式全地形車「Beowulf」、米陸軍が採用へ

英BAE Systemsは2022年8月22日、米陸軍の寒冷地用全地形車(CATV:Cold Weather All-Terrain Vehicle)プログラムに関して、全地形車「Beowulf」の受注を獲得し、2億7800万ドル(約385億円)の契約を締結したと発表した。北極圏の過酷な地形や気象条件に耐え、軍の活動を支援する。

Beowulfは2両連結式の非装甲車両で、乗員数は最大14人、約8000kgを時速65kmで輸送できる。雪や氷、岩、砂、泥、沼地、そして険しい山道も走行可能だ。水陸両用のため、浸水地域や沿岸部でも活動できる。モジュール設計のため、必要に応じてさまざまなミッション向けに構成できる。プラットフォームを同じくする、装甲型の「BvS10」はヨーロッパのいくつかの国で既に採用実績がある。

窓が大きくキャビンも広いBeowulfは、捜索救助や防衛といったCATVプログラムに適しており、2022年初めにアラスカでプロトタイプの評価を終えている。1980年代初頭から使用されてきた小型ユニット支援車両(Small Unit Support Vehicles:SUSVs)「BV206」に置き換わる予定だ。

「我々は何十年にもわたり、寒冷地の全地形能力を成熟させ、近代化することで、アメリカや多くの国に高度な能力をもたらしてきた。今回の契約は、今後も我々の働きが続くということを意味している」と、事業開発部門のバイスプレジデントであるMark Signorelli氏は語る。

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