月面の塵も撮影できる、3200メガピクセルを持つ世界最大のデジタルカメラ

Image Credit: Jacqueline Ramseyer Orrell/SLAC National Accelerator Laboratory

チリのRubin天文台は、調査プロジェクト「Legacy Survey of Space and Time(LSST)」で導入予定のカメラを報道関係者に公開したと、2022年10月12日のプレスリリースで報じた。ただし正確には完成前で、カメラを構成する機械部品が組み上がった状態だという。

LSSTカメラの特徴は、189個のCCDセンサーで構成する画素数3200メガピクセルの撮像面で、天文観測用途では世界最大のデジタルカメラだ。この種の用途では過去最大となる直径1570mmのレンズと組み合わせることで、月面の塵粒子を観測できるほどの解像度を達成する。

同天文台では9月に、14組織から21人の訪問を受け、カメラの設計を担当した米SLAC国立加速器研究所のチームが対応した。SLACのチームはこれらの訪問に対応しつつ、最近組み込みを終えたシャッターユニットや、フィルター交換システムのテストを進めている。

LSSTカメラは、今後10年におよぶ同天文台の研究とデータ収集で運用する予定だ。今後、完成前の最後の改良作業として、2022年末までに冷却システムの交換を予定する。その後、最終テストを経て、2023年5月にチリへ出荷される計画となっている。

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