鉄製のコアも銅巻線も使わない――米Infinitumの次世代型モーター「Aircore Mobility」

米Infinitumの開発した次世代モーター「Aircore Mobility」が、CES 2023 Innovation Awardを受賞した。

Aircore Mobilityの最大の特徴は、銅エッチングされたプリント基板(PCB)をステーター(固定子)とする「PCBステーター」にある。従来のブラシレスモーターは、鋼板製のコアに銅線を巻きつけて電磁石として磁界を発生させ、中心部に置かれた永久磁石製のローター(回転子)を回すものだ。これに対してPCBステーターは、重い鋼板と銅線の代わりにPCBに銅のパターンをエッチングすることで、従来のモーターより50%小型化・軽量化され、効率が10〜15%向上しているという。

Aircore Mobilityは、小型から大型までの商用車や航空宇宙、船舶向けなどに設計されており、ドライブトレインの重量やサイズを大きく増やす事なく50〜250kWの出力が実現できる。また、同軸上に配置可能なモジュラーデザインにより、より高出力なマルチステーター、マルチローターの構成も可能だ。また、スターター内部を冷却する油冷システムを組み込むことで、最大電流密度は56A/m2を達成、従来のモーターの3〜5倍の出力密度を達成したとしている。

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