人機一体――6本の腕を自在に操れるAIロボットアーム「JIZAI ARMS」

INAMI JIZAI BODY PROJECT/YouTube

Jizai Armsは、装着したユーザーがコントロールできる6本の腕からなる、蜘蛛のようなロボットアームシステムを開発した。科学技術振興機構(JST)による基礎研究を推進する研究支援活動「ERATO」の1つで、東京大学先端科学技術研究センターの稲見 昌彦教授が率いる「稲見自在化身体プロジェクト」によるものだ。

同プロジェクトが「自在化」と位置づける技術開発は、人間がロボットやAIと「人機一体」となり、自己主体感を保持したまま行動することを支援し、人間の行動の可能性を大幅に広げることを目指す。さらにデジタルサイボーグ社会にとってその美学をデザインすることの重要性も強調する。関連技術が実用性の点で成熟に近づくにつれて、研究室を超えて社会に受け入れられ、人々の日常生活に組み込まれるためには、その美学を慎重に設計することが不可欠だと考えているからだ。

今回発表された「JIZAI ARMS」 は、6つの端末を備えたウェアラブルベースユニットと、装着者が制御可能な着脱式ロボットアームからなる拡張ロボット肢体システムだ。このシステムは、装着、取り外しによって自身を自由にデザインできるだけではなく、アームの交換など複数の装着者間の社会的インタラクションを可能にし、サイボーグ社会におけるデジタルサイボーグ間のインタラクションの可能性を検証するために設計された。

JIZAI ARMSはUnity製のPCアプリケーションを通じて制御される。PC アプリケーションは、Windowsを搭載したラップトップ PC上で動作可能だ。ベースユニットの重量は4.1kgでロボットアーム4本装着時の総重量は14kg。高い柔軟性を備え、倉庫から病院の手術室まで、さまざまな場所で活躍する。また、JIZAI ARMSはユーザーが簡単に操作できるため、装着した人は自分の動きで手足を動かすことができ、まるで自分の体の延長のような感覚を味わうことができる。

JIZAI ARMSが最も大きな効果を発揮するのは、障がいを持つ人々の生活の質を向上させることだ。手足が不自由な人でも、JIZAI ARMSを使うことで、今まで不可能に近かった作業ができるようになる。この技術は、障がいを持つ人々の柔軟性や動きやすさを変える可能性を秘めているのだ。

JIZAI ARMSは、ウェアラブル・ロボティクスの革新的な可能性を示している。ロボットやAIの分野が進歩するにつれて、私たちは、人間の生活をより快適で柔軟なものにするために、多くの可能性を秘めた素晴らしいイノベーションを目撃することができるようになるだろう。

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