レンズ不要のカメラ? AIとラズパイを活用した「Paragraphica」が話題に

デンマーク出身のアーティスト、Bjørn Karmann氏が制作したカメラ「Paragraphica」がSNS上で話題となっている。

Paragraphicaはインターネット上から取得した撮影場所のGPS情報や天気、日時などの情報を基に命令文(プロンプト)を作成。シャッターを押すと命令文がAIに送信され、生成された画像をカメラ背面に表示する仕組みだ。

カメラの背面。上部にダイヤルで設定を調整できる

カメラの背面にはタッチスクリーンがあり、現在の位置情報や天気、温度、時間帯、付近にある建物などを記載した命令文が表示される。上部には設定やAIの処理条件などを調整するダイヤルがある。設定を確認した後にシャッターを押すと、AIが生成した画像がスクリーンに表示される。

Karmann氏が公開したWebサイトによれば、AIが生成した写真は「単なるスナップ写真ではなく、撮影した場所をAIがどのようにとらえているかを複雑かつ微妙に反映したもの」になるという。

実際の撮影場所と思われる写真(左)とAI用の命令文(中央)、AIが生成した写真(右)。命令文は「アムステルダムのWesterstraatで撮影した夕方の写真。天気は快晴、気温は14度。日付は2023年の「国王の日」(※訳注:オランダの祝日)。この辺りには、レストランやバー、食料品店などがある」

この画像の命令文は「Cliffordstraat,Amsterdamで撮影した真昼の写真。天気は一部曇り、気温18度。日付は2023年5月24日(水)。近くには、駐車場とヨガスタジオがある」

普通のカメラであればレンズがある場所に、特徴的な赤いふたのようなものがある。これは、ホシバナモグラから着想を得たものであるという。耳と目が退化しているホシバナモグラには鼻先にアイマー器官と呼ばれる感覚受容器があり、鼻先を通じてかすかな振動を察知する(このカメラの赤い飾り自身に、特に機能はない)。

ハードウェアはRaspberry Pi 4とタッチスクリーンとオリジナルの電子基板で構成、筐体は3Dプリンターで造形している。ソフトウェアはIoTを活用したUI/UXのプロトタイピングツールであるNoodlとPythonによるプログラムで開発、画像生成系AIのStable DiffusionのAPIを活用して画像を取得している。

Karmann氏はブラウザ上でも同様の画像が生成可能なWebサイトを公開している。しかし、(記事公開時点では)アクセスが集中しており、読み込みや動作ができない場合がある。

Karmann氏のウェブサイトに公開された東京都内の写真

fabcrossより転載)

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