用途に応じて折り紙のように変形する、宇宙船向けの作業用ロボット「Mori3」

© 2023 Christoph Belke, EPFL RRL

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは、目的に応じて自身の形状を変形させるロボット「Mori3」を開発し、2023年6月12日付けの論文誌『Nature Machine Intelligence』で発表した。

Mori3は自身の形状を変化させ、移動し、モノやヒトと対話する能力を持つロボットだ。本研究テーマの目標は、環境に適応してタスクの実行に必要な構造を自律的に構成し、その後分解するロボットだ。

Mori3を構成する各モジュールは三角形の外形で、相互に通信して連動する。用途に合わせて結合し、立体オブジェクトを構成する様子は、折り紙のようなイメージだ。本研究では、自律的に構造を作りだす手法として、「ポリゴンメッシュ化」の有効性を検証した。

検証の結果、Mori3について移動、荷物などの物体の取り扱いと運搬、ユーザーとの対話など、ロボットが果たすべき3種の機能の動作を確認し、概念実証が成功裏に完了した。

Mori3を含む汎用ロボットは、個々の用途に最適化された専用設計のロボットより能力が劣る場合があるものの、最大の長所はその汎用性だ。例えば、宇宙船内など収納空間に制約がある場所で、タスクごとに専用のロボットを用意できない場合に適している。研究チームは、Mori3が宇宙船内で、コミュニケーションや外部修理に使用されることを期待しているという。

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