JFEスチールは2015年12月9日、プレス加工が困難な「難加工部品」を成形する新技術を発表した。軟鋼から超ハイテン材まで、強度に関係なく適用できるという。
今回の新技術では、計2工程で段階的に加工する方法を採用。1工程目に最適形状で成形してから、2工程目に製品形状で加工する。そのため、1工程成形で起きやすい割れや成形不能を防ぐことができる。
2段階でのプレス加工自体は従来でも行われていた。新技術の特徴は、1工程目で成形する最適形状を論理的に算出するところにある。
従来の2段階式プレス加工技術は、1工程目の形状設計を人の経験や勘に頼るほかなかった。一方、新技術はこの欠点を解消して難形状部の加工を可能にしている。
JFEスチールは新技術の実用例も公表。エアスボイラーと一体のバックドアを鋼板から成形することに成功したとしている。張り出しが大きい形状のため、エアスボイラーは成形が難しい。そのため、既製のバックドアは樹脂製の別部品が取り付けられるに留まっている。
新技術を実生産に適用するため、同社は顧客との共同開発を積極的に進めるとしている。