東芝は2015年12月15日、白物家電やテレビの事業で最大7000人程度を希望退職などで人員削減する方向で最終調整に入ったとの報道に対して、「現時点で決定したものはありません」とのコメントを発表した。
同コメントは、日本経済新聞が2015年12月15日付の朝刊で報じた「東芝、最大7000人削減」というニュースを受けて出されたもの。同紙は、東芝がテレビやパソコンの開発拠点がある青梅事業所を大幅に縮小し、テレビ事業では開発からの撤退を検討すると伝えていた。
東芝の構造改革をめぐってはここ2週間ほどで、「ソニーのパソコン部門が独立したVAIOや富士通とパソコン事業を統合する検討に入った」「冷蔵庫、洗濯機などの白物家電事業を本体から切り離し、連結対象外とする方向で検討を進めている」「インドネシアのテレビ工場を売却し、自社生産から撤退する」「POS(販売時点情報管理)システムなどを手掛ける東芝テックや、東芝メディカルシステムズの株式の持ち分を投資ファンドなどに売却する検討に入った」などの報道が出ているが、東芝はすべて「当社から発表したものではありません」とコメントしている。
一方、同社の構造改革をめぐる動きとしては10月28日、CMOSイメージセンサ事業から撤退し、大分工場の300mmウエハ製造ラインに関係する資産をソニーに譲渡する意向確認書を締結したと明らかにしている。ソニーへの譲渡に伴い、CMOSイメージセンサの設計などに携わっている東芝と関係会社の社員約1100人については、ソニーグループにて雇用を受け入れる方向で調整中と報告。12月4日には、ソニーとの間に法的拘束力のある確定契約書を締結し、半導体事業の従業員を対象に早期退職優遇制度を実施すると発表している。