日立マクセルは2015年12月10日、従来品比で約2倍のエネルギー密度を実現するリチウムイオン電池技術「ULSiON(アルシオン)」を開発したと発表した。今後、ウェアラブル機器など小型機器向け電池への導入を進める。
「ULSiON」技術は、スマートフォン向けリチウムイオン電池で使われるシリコン電極材料(SiO-C)を用いた高容量化技術をさらに発展させたもの。リチウムイオン電池の負極中のSiO-C含有率を大幅に増やすことでエネルギー密度を高め、また高電圧から低電圧までの広領域で充電を可能とする電極技術を導入したという。
ウェアラブル機器市場は今後急速な成長が見込まれているが、機器には小型・軽量が求められるため、内部に格納できる電池のサイズが限られ、従来はユーザーがストレスなく使い続けられるだけの充分な稼働時間が得られなかった。
しかし、同技術を用いて電池を高容量化すれば、機器のコンパクトな形状やデザインを損なうことなく、連続使用時間を大幅に伸ばすことができるとしている。
同技術を導入したウェアラブル機器用電池は、「第2回ウェアラブルEXPO」(2016年1月13日~15日、東京ビッグサイト)のマクセルブースに出展される。