ST、グラフィックス性能を強化したマイコンを発表

STマイクロエレクトロニクスは2016年1月28日、Chrom-ARTグラフィックHWアクセラレータの内蔵でグラフィックス性能を強化したマイクロコントローラ「STM32F767/769」を発表した。内蔵機能が豊富な同製品は、グラフィックス・アプリケーションで他のマイクロコントローラよりも優れた深みや描画ができるという。

STM32F767/769は、倍精度浮動小数点ユニットとDSP命令を特徴とするCortex-M7プロセッサのほか、デュアルバンクのFlashメモリ、Chrom-ARTグラフィックHWアクセラレータ、ハードウェアJPEGアクセラレータ、TFT-LCDコントローラ、およびMIPI-DSIホスト・コントローラを搭載。また、I2Sインタフェース、シリアル・オーディオ・インタフェース(SAI)、オーディオPLL、およびデジタル・マイクロフォンや外付けΔΣADコンバータ接続用のDFSDM(Digital Filter for Sigma-Delta Modulators)など、オーディオ機能も備えた。

他にも、512KBのRAMや16kbのデータ/命令キャッシュを内蔵した。外部メモリ・コントローラ(FMC)とデュアルQuad-SPIインタフェースにより、SDRAMやシリアル・フラッシュなどの外付けメモリの追加を簡略化。そのため、アプリケーション・コード・サイズは実質的に無制限となる。

デュアルバンクの内蔵Flashメモリは最大2MBで、書込み・読込みの同時処理が可能。ソフトウェアのアップデート中であっても、シームレスなアプリケーション処理と操作を継続できる。

用途は幅広く、ウェアラブル機器、スマート・ビルディング、産業機器、スマート家電およびパーソナル・ヘルスケア、ポイント・オブ・ケア医療機器などのアプリケーションが対象。高度なセキュリティが必要なアプリケーションには、ハードウェア暗号化エンジン/ハッシュ・プロセッサを搭載のSTM32F777/779が用意されている。

なお、同様のグラフィックスおよびメモリ機能を持つSTM32F469/479(Cortex-M4搭載)から、Cortex-M7搭載マイコンへのアップグレードは容易。関連する開発エコシステムには、ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)などのアプリケーションで、高度なグラフィックスの実現に役立つ機能が用意されている。

STM32F767/769は現在サンプル出荷中で、2016年5月に量産開始を予定。サンプル価格はSTM32F779NIH6(Flashメモリ:2MB、RAM:512KB、TFT/MIPI-DSI/暗号化機能搭載、TFBGA216パッケージ)が約10.95ドル、エントリ・レベルのSTM32F767VGT6(Flashメモリ:1MB、RAM:512KB、TFT搭載、LQFP100パッケージ)が約7.96ドルだ。

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