ルネサス、電力変換システムの電力効率を高める第8世代IGBTを発表

ルネサス エレクトロニクスは2016年3月10日、太陽光発電パワーコンディショナやUPS(無停電電源装置)などの電力変換システムにおける電力効率を向上させる第8世代IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)「G8Hシリーズ」のサンプル出荷を開始した。2016年9月より量産を開始し、2017年3月には月産60万個を計画している。

G8Hシリーズは、プロセス構造に独自のトレンチゲート構造を採用。これにより、IGBT性能指標となる高速スイッチング特性の向上と飽和電圧Vce(sat)の低下による導通損失の低減を両立し、第7世代IGBTと比べて性能指数を最大30%改善した。結果として、電力損失を大幅に削減できるようになったという。

同シリーズは、スイッチング時にゲートに発生するノイズを低減したため、ノイズ低減に必要だった外付けのゲート抵抗を削減できる。また、高放熱性能「TO−247」パッケージの採用で高温175℃での動作を保証し、大電力伝送により発熱しやすい場所での安定使用を可能にした。さらに、75A電流帯の単体パッケージ「TO-247 plus」を採用したことで、ディスクリート部品の回路構成がフレキシブルになり、大電力化が容易になった。

ラインナップは計6製品で、650V/40A、50A、75Aの3製品、1250V/25A、40A、75Aの3製品がある。様々なインバータ回路方式、出力容量に応じて選択可能。サンプル価格は650V/50Aの「RBN50H65T1GPQ-A0」が330円/個(税別)だ。

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