ユニチカは2016年3月22日、各種の射出発泡成形工法に対応可能なポリアミド樹脂「Foamilon(フォーミロン)」を発表した。軽量化と外観品質を両立できる同製品を提供することで、自動車部材などで高まる樹脂製品軽量化の取り組みに貢献するという。
世界的な排出ガス削減のニーズが高まる昨今、自動車部材軽量化への取り組みが活発化しているという。だが、従来の成形材料は軽量化と優れた表面外観の両立が困難なため、適用範囲が限られていた。そこで、ユニチカは独自のポリアミド樹脂設計とコンパウンド技術を基に、”強い””軽い””きれい”な発泡成形品が得られるというFoamilonを開発した。
Foamilonは、化学発泡や物理発泡といったガスの種類、ショートショット発泡やコアバック発泡といった発泡方法によらず、さまざまな工法に適用可能。コアバックと化学発泡を組み合わせた工法では、2倍発泡が可能な上に、20%以上の高い軽量化率を達成しながら、優れた表面外観性と均一な発泡セルを形成できる。そのため、自動車アンダーフードのカバー製品への採用が進んでいる。
Foamilon発泡体では、例えばPA6-GF15のソリッド(無発泡体)と比べて、性能や外観は同等以上でありながら、製品重量を約20%削減できる。特に曲げ弾性率の優位性が高く、軽量化と高剛性化を同時に達成できるという。断熱性や遮音性などの性能面の向上、ヒケや反りなどの形状問題の解消も図れることから、自動車分野以外にも、二輪、スポーツ用品、電動工具などの各分野への応用に期待が持てるとしている。