- 2021-3-25
- 機械系, 製品ニュース
- NSK, トポロジー最適化技術, 日本精工, 深溝玉軸受, 電動車駆動モータ, 高速回転玉軸受Gen3
日本精工(NSK)は2021年3月24日、dmN=180万以上の高速回転ができる電動車駆動モータ用「高速回転玉軸受Gen3」を開発したと発表した。グリース潤滑用の深溝玉軸受では世界最高速の回転となり、電動車の航続距離延長や燃費、電費の向上、モータの小型化に対応する。
極限まで軽量化を図る設計手法であるトポロジー最適化技術の活用により、高速回転に最適な保持器形状を導き出し、新形状の樹脂保持器を設計。機能や生産面での課題に対し、実態に即した最先端のシミュレーション技術を効果的に駆使して短期間で開発している。
同社が独自に開発したオリジナルグリースと剛性に優れた樹脂材料を採用。このグリースの採用により、攪拌抵抗低減による低フリクションと発熱の抑制による耐焼付き性を向上する。また、高剛性樹脂材料の効果により、高速回転時の保持器の変形を低減するという。遠心力による保持器の変形は約70%低減、dmN=180万以上の高速回転を達成している。なお、dmNは、「軸受のピッチ内径(dm)」と「回転数(n)」の積であり、軸受の高速回転性能を示す指標である。
高速回転玉軸受Gen3の適用により、電動車駆動モータの小型、軽量化と高速回転化による高出力化ができ、電動車の航続距離延長や車内スペースの確保、環境負荷の低減に貢献する。同社は高速回転玉軸受Gen3に関して、2030年に120億円の売上を目指す。