キーサイト、マルチエミッター信号シミュレーション用ソリューションを発表

キーサイト・テクノロジーは2016年3月25日、電子戦(electronic warfare)のシミュレーションとテストに使用するマルチエミッター信号環境を作成するためのリファレンスソリューションを発表した。

同ソリューションは、複数台の位相同期が可能な「N5193A UXGアジャイル信号発生器」をベースに、マルチエミッター・シナリオ作成用ソフトウェア「N7660B Signal Studio」を組み合わせた製品。位相同期をとり周波数を変化させて振幅を180nsでセトリングできるため、数千の脅威エミッターを毎秒何百万ものパルスを使ってシミュレートできる。また、UXGを時間、振幅、位相で同期できる校正システムでの到来角(AoA)シミュレーションが可能だ。

校正システムは、N7660B Signal Studioをはじめ、振幅と位相の校正向けハードウェア「PNAまたはPNA-Xベクトル・ネットワーク・アナライザ」のほか、時間、振幅、位相の校正向けオシロスコープ「Infiniium シリーズ」や、低コストの振幅専用校正向けUSBパワーセンサ「U2000 シリーズ」を含んでいる。

リファレンスソリューションでは、周波数、振幅、アンテナスキャン、パルス繰り返し間隔、パルス幅、パルス変調などのレーダーのパラメーターを設定することで、複数のレーダー脅威エミッターをSignal Studioのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使ってインターリーブできる。また、脅威エミッターを組み合わせて複数のシナリオを作成できるほか、到来角(AoA)と移動目標のパラメーター(変化する時間オフセット、パワーレベル、信号の位相、ポート間のドップラー周波数など)をSignal Studioで直接制御/設定できる。

Signal Studioで作成したマルチエミッター・シナリオは、PDW(pulse descriptor words)をリストとして、複数台のUXGに直接ダウンロードできる。さらに、PDWを計算してLAN経由でUXGにストリーミングできるため、事実上シナリオの長さに制限がない。

UXGは、180nsの位相コヒーレント周波数/振幅遷移、10psのタイミング分解能、−70dBcのスプリアス・フリー・ダイナミック・レンジを備え、信頼できる局部発振器や拡張性のある脅威シミュレータとしても使用可能だ。

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