大日本印刷は2016年9月13日、ナノインプリント用のパターン形成用テンプレートを、段差なく高精度でつなぎ合わせる技術を開発したことを発表した。これにより超微細構造の大面積のテンプレート作製や部品の量産化が可能になるという。
ナノインプリントとは、基材上の樹脂などに金型を圧着して、ナノメートルからマイクロメートル単位のパターンを安定的に転写する微細加工技術だ。
ディスプレイや光学製品、エネルギー関連やライフサイエンス関連の部材などで、超微細構造の採用が進んでおり、そこで適用できる製品を広げるために、ナノインプリントが可能な面積の大型化に対する要望が高まっていた。
大面積化にはテンプレートをつなぎ合わせる必要があるが、つなぎ目部分に段差が生じるという課題があり、これまでの技術では生産への利用は困難だった。今回開発したつなぎ目部分に段差が生じない高精度なつなぎ合わせ技術により、超微細構造の大面積のテンプレート作製や部品の量産化が可能になる。
同社では今回、半導体製品用のフォトマスクやナノインプリントリソグラフ、超低反射フィルムなどのナノメートルレベルのインプリントで培ってきた材料技術や加工技術、また装置技術などを応用したことで、数十nmの超微細な凹凸のパターンを持つテンプレートを高精度でつなぐ技術を開発できたという。
今回開発したつなぎ合わせ技術は、ディスプレイで用いられる超微細な凹凸形状を付与することで、光の向きや強さをコントロールする機能性フィルムの生産性向上などに効果が期待できるという。
同社では、同技術を用いた製品およびナノインプリントソリューションの2018~2020年3年累計で、600億円の売上を目指す。