旭化成エレクトロニクスは、ホール素子を内蔵した地磁気検出方式の3軸電子コンパス用ICの新製品、FIFO(First-In First-Out)バッファを内蔵したAK09915C/AK09915Dを発売した。スマートフォン、タブレット、ウエアラブル機器、ゲーム端末、拡張現実/仮想現実端末(AR/VR)などに向けた製品だ。
今回の製品は、同社の従来品AK09912Cの後継製品。32段のFIFOバッファを内蔵しており、電子コンパスからの割り込み回数を減らしてホストプロセッサの負荷を減らすことができる。リアルタイムな応答が不要なデータロギングを行う場合など、FIFOを活用してシステムの消費電力を低減することが可能だ。
また、AK09912Cの測定周波数の上限は100Hzだったが、新製品は200Hzに対応し、早い応答性が必要なゲームなどのアプリケーションにも適している。さらに、AK09912Cと比べ消費電流を10%低下できる低消費電流モードと、測定ノイズを半減できる低ノイズモードの2種の駆動方法を選択できる。内蔵のノイズ低減フィルターを併用すれば、さらにノイズを低減できる。
従来品と同様、シリコンモノリシックホール素子と磁気収束板を用いて、3軸磁気センサをワンチップで構成しており、一般的な半導体製造工程を用いた大量生産に対応する。出力データ分解能は16ビット(0.15μT/LSB)、測定レンジは±4900μTで従来品と同様。パッケージサイズも1.6mm×1.6mm×0.5mmで従来品と同様となっている。
新製品のうちAK09915Cは、インターラプトピンがプッシュプル出力となっているのに対し、AK09915Dではオープンドレイン出力となっている。その他の仕様は共通だ。