車載用リチウムイオン電池世界市場、2020には約5倍に拡大——矢野研調査

矢野経済研究所(矢野研)は‹2016年10月17日、車載用リチウムイオン電池(LiB)世界市場についての調査結果を発表した。さらに同調査結果を基に、2015年は3万MWh程度だった車載用LiB世界市場が、2020年には15万MWhを超えると予想した。

2015年の車載用LiB世界市場は、前年比210.1%の2万7853MWhと大きく伸長した。深刻な環境汚染問題の改善を図る各国政府の積極的なEV普及政策を受け、2015年は中国を中心にさまざまな国でPHEVとEVの販売が急拡大。2016年も同様の傾向が続くと見られ、2016年の車載用LiB世界市場は前年比141.3%の3万9349MWhが見込まれる。

2015年の車載用LiB世界市場をxEVタイプ別で見た場合、EV向けが2万4112MWh(構成比86.6%)、PHEV向けが3303MWh(同11.9%)、HEV向けが438MWh(同1.6%)。EV及び PHEV向けが車載用LiB世界市場全体の98.5%を占めた。

EV向けLiB世界市場では、100~300kWhの大容量LiBパックを用いる電気バスの販売が中国で拡大したことが成長を牽引。PHEV向けLiB世界市場は、中国でPHEVの販売が好調だった上に、複数の欧州自動車メーカーを中心に新車の販売が相次いだため、PHEV市場の伸びに比例して高い成長率で推移した。

中国政府は、2020年までにxEVを累計500万台普及させるという目標を掲げ、充電設備の拡充やナンバープレート優遇策のほか、PHEV・EV購入時の補助金支給などの施策を講じている。また、各国の環境規制が厳しくなる中、自動車メーカー各社はxEV新車の市場投入を相次いで計画。xEV市場拡大を牽引している国々では、政府のxEV向け補助金や優遇政策を2020年まで継続する見通しだ。アメリカカリフォルニア州のように、xEVの販売義務比率を徐々に高めている地域もある。

矢野経済研究所は以上の調査結果を踏まえ、xEV市場が2016年以降も安定成長するに伴い、2020年の車載用LiB世界市場が15万5430MWhに拡大すると予測している。

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