パナソニック、2000時間保証の「巻回形電気二重層コンデンサ HLシリーズ」を製品化

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、長寿命が要求される産業機器や自動車のバックアップ電源回路に適した2000時間保証の「巻回形 電気二重層コンデンサ HLシリーズ」を製品化、2017年1月から量産を開始すると発表した。

同製品は、スマートメータやストレージ機器などで、停電発生時にデータを瞬時に通信したり、保存するバックアップ用電源の需要が増加していることに対応したものだ。これらのバックアップデバイスでは、長期間交換せずに使用できる長寿命化、瞬時に大容量の電流を供給する高出力化とともに、屋外設置の厳しい環境への対応や電源回路の小型、軽量化も求められる。

同社では今回、独自の電解液を開発し、静電容量の減少や内部抵抗の増大などの特性の劣化を抑えながら、巻回形では業界初(同社調べ)という2000時間保証を達成し、長期間交換せずに使用できる長寿命化を実現した。

また、産業機器のバックアップ用途では瞬間的に大容量の電流を放出する必要があるが、従来のコンデンサは、電解液の電導度が高いため、大電流での急速放電が困難という課題があった。今回の独自の電解液開発により電導度の向上を図り、内部抵抗(1kHz)が10mΩ~70mΩmaxと、非アセトニトリル(AN)系ながらアセトニトリル(AN)系と同等以上に低減しており、急速充放電に対応した。

さらに、同社の巻回形の電気二重層コンデンサでは、低温保証は-25℃が限界だったが、今回開発の電解液により、米国のANSI規格に対応できる-40℃保証を実現した。寒冷地での屋外設置が想定されるスマートメータなどのバックアップ電源用にも対応できる。

製品サイズ(直径×高さ)は、8×20mm、10×20mm、10×30mm、18×50mm、18×70mmの5種が用意され、カテゴリ温度範囲は、前3種が-40℃~+70℃、後2種が-40℃~+65℃。定格電圧範囲2.7 V.DC、静電容量範囲2.5F~100F、内部抵抗(ESR)10mΩ~70mΩ(1kHz/20℃)。

用途としては、サーバ、ストレージ機器(SSD)、スマートメータなどのバックアップ電源、モータ、アクチュエータなどの駆動アシスト電源、自動車の各種システム(緊急ブレーキ、ドアロック解除など)のバックアップ電源、太陽電池の補助電源などの回路を想定している。

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