三菱レイヨンは2017年3月6日、同社の炭素繊維材料「SMC(Sheet Molding Compound)」が、トヨタ自動車が2月15日に発売した新型「プリウスPHV」のバックドアの骨格に採用されたと発表した。
三菱レイヨンが開発したSMCは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数cmにカットした炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料だ。プレス成形によって約2~5分で部材に加工でき、炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材であるプリプレグと比べて、複雑な形状の部材を成形することが可能だ。また、機械特性が均質に近いため、従来の部材設計ノウハウを活かしながら比較的容易に炭素繊維を利用して、軽量化と高強度化を実現できる。
トヨタ自動車がSMCを採用した要因について三菱レイヨンは、大幅な軽量化と高い部材性能を実現できることと、複雑形状の部材が生産可能な成形性と量産車部材の製造に必要な生産性を兼ね備えることが高く評価されたためとしている。。三菱レイヨンは今回の採用をきっかけに、炭素繊維材料の自動車部材への提案を強化・拡充していくという。