DICと神奈川工科大学は2017年11月10日、3Dプリンタ造形物に近赤外蛍光色素を利用した情報を埋め込む新技術を開発したと発表した。
3Dプリンタは、企業ばかりでなく一般家庭でも導入が進み、その造形物に情報を埋め込むことによるIoTとの連動も広く模索されている。現状、ICチップなどを造形物に埋め込むことが検討されているが、工程数やコストが増加するため、より簡便な情報埋め込み技術の開発が求められていた。
今回の技術では、造形物の製造時に近赤外蛍光色素を用いた樹脂で情報パターンを形成。造形物用と情報パターン用の2ヘッドの3Dプリンタが必要になるが、ICチップなどの部品を必要としないため、外部意匠に影響を与えることなく、効率的に情報パターンを造形することができる。埋め込まれた情報は、近赤外光を照射し、近赤外線カメラで観察して読み出すことが可能だ。
この技術により、3Dプリンタ造形物は、IoT技術におけるモノ(Things)として認識できるようになり、その価値が飛躍的に向上するとしている。