パナソニック、小型かつ高精度の車載用角度センサを開発

パナソニックは2017年3月27日、同社の社内カンパニーであるオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が、高精度で車載用モータの回転角度を検出する小型の角度センサ「A³MR」を開発したと発表した。

現在主流のレゾルバ方式の角度センサは、高精度検出できるもののサイズも重量も大きいことが課題であった。一方AMR薄膜を用いる方法は、高精度での検出が可能だが極性判別ができないために180度までしか検出できず、360度の角度検出が必要な車載用モータには採用されなかった。

同社では、高精度での検出が可能なAMR薄膜と極性判別が可能なホール素子を組み合わせて新たな制御回路を開発。これにより、小型軽量でなおかつ360度の回転角度を高精度で検出可能なセンサを実現した。

磁気センサを使う場合、磁界の均一性が求められることから、磁界が安定しているモータの回転軸上の限られた領域にセンサを配置する必要があったが、モータ軸の設計上制約が多いという課題があった。今回開発したセンサのAMR薄膜は、磁界の強度が変動しても磁界の向きを高精度に検出できるため、センサを回転軸に設置する必要がない。これによりセンサを外周に配置するサイドシャフト検出が可能となった。

さらに、200mTの高磁界においても高精度の検出が可能な高いノイズ耐性を持つ。車載に要求されるISO26262(機能安全)にも対応している。

同社では、電動パワーステアリング用やISGハイブリッドシステム用、シフトバイワイヤー用などの車載用モータの回転角度検出向け用途を想定している。2017年5月にサンプル出荷、2019年9月に受注開始の予定だ。

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