個性や知性こそ、「AIやロボットによる失業」への対抗策に。米研究チームが報告

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「人工知能(AI)やロボットによって人間の仕事が奪われるのではないか」と懸念する声が目立つようになってきた。そうした声に対してアメリカのある研究チームが、個性や知性、芸術・科学への関心といった要因を持つ人材であれば、AIやロボットによって仕事を奪われる心配は少ないという研究成果を披露した。

米ヒューストン大学のロディカ・ダミアン准教授らの研究チームは、ロボットやコンピューターの登場により労働市場が変化する現在において、上手く立ち回っていくためには人間の持つ個性やIQ、職業興味が非常に重要な因子となり得ると分析。その研究成果は「European Journal of Personality」に掲載された。

ダミアン准教授は「微妙な対人関係について、ロボットは人間のように上手く振舞うことができない」と指摘。ルーティーンで処理できないような複雑で創造的なタスクを扱う能力は、人間の方がロボットよりも優れ、柔軟性を求められる仕事では人間の方が断然優れた仕事をすると主張している。

研究チームは、米国研究所(American Institutes for Research:AIR)が50年あまりかけて追跡した約35万人のサンプルデータを用いて、個人の持つ特性や若いころの職業興味、知性、社会経済的地位など、多方面から分析した。その結果、社会的背景にかかわらず、知的で、外交的かつ成熟した性格を持ち、芸術や科学に高い関心を示す人は、11年後と50年後の時点で、AIやロボットによって自動化できないような職業を選ぶ傾向があると分かった。ある人が持っている個性や知性、興味の対象により、将来その人が自動化されやすい職業を選ぶかどうかが予測できるというのだ。

知性に注目すると、IQが15ポイント上がると自動化されやすい職業に就く確率が7%減少するという。同様に、「成熟さ」や「科学への興味」といった項目の標準偏差が5ポイントスケールの1ポイント上がると、アメリカで自動化による失職を免れる人数が290万人ほどにも達するとしている。

ダミアン准教授は、今回のサンプルデータの対象者らが1960年代に学生であったころと比べると、教育システムは既に変わっていると断りつつ、昔ながらの教育方法では、近い将来に訪れる労働市場の変化には完全には対応しきれない可能性があると言及。例えば、将来の就業に役立つように、個性を磨くトレーニングをすることを考えるべきかもしれないと提言している。

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