東工大など、3種の金属を1nmの粒子に合金化する手法を開発

東京工業大学は2017年7月27日、東京工業大学と山梨大学の研究グループが、粒径1nm(ナノメートル)程度のナノ粒子に銅、白金、金の3種類の金属を精密に合金化する手法を開発したと発表した。さらに、この粒子が空気中の酸素を利用した炭化水素での酸化反応において、有機化合物の酸化反応に用いられる、市販の白金担持カーボン触媒の24倍もの触媒活性を示すことを明らかにした。今後この研究結果は、触媒反応を用いた不活性な炭化水素から、付加価値の高い物質への変換技術の発展に貢献することが期待されるという。

近年、貴金属のナノ粒子が多孔質のカーボン材料や金属酸化物へ固定された、担持触媒の研究が広く行われており、有望な触媒系として期待されている。このような不均一系触媒の反応性を決める重要な要素は、金属ナノ粒子の形状やサイズ、金属組成であり、新たな高機能触媒の開発に向けた制御手法が求められてきたが、これまで2nm以下の金属ナノ粒子の粒子径、組成の両方を制御できる合成法はなかった。

今回の研究では、樹状型の規則構造を持つ高分子であるデンドリマーを利用し、複数の金属からなる1nm程度の微小な合金ナノ粒子の合成法を開発した。空気中の酸素分子を酸化剤として用いた際の、常圧下での炭化水素の酸化反応における触媒活性を評価したところ、銅原子と他の貴金属からなる合金ナノ粒子が、有機化合物の酸化反応に用いられる市販の白金担持カーボン触媒と比べて24倍もの活性を有することを発見した。

また、この触媒は少量(触媒量)の有機ヒドロペルオキシドを加えることで、常温常圧下で炭化水素のアルデヒドやケトンへの酸化反応を進行させるとしている。

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