東大、産総研ら、有機半導体における電気伝導/スピン伝導特性を解明

デバイス動作下の電子スピン共鳴測定の概要(左) トランジスタがON状態のときESR信号が観測される(右)

東京大学、産業総合研究所らは2017年8月1日、有機半導体における電気伝導およびスピン伝導特性の解明に成功したと発表した。同大学らによると世界で初めてだという。

同研究では、電界効果トランジスタ動作下における電子スピン共鳴(operando-ESR)測定を用いて有機半導体の電気伝導、スピン伝導特性の解明に成功。高移動度有機半導体においても無機半導体と同様に、電子の散乱によって電荷の移動度やスピンの寿命が定まっていることを明らかにした。

近年、有機半導体の材料開発が活発化しており、10cm²/Vsを超える高移動度有機半導体が報告されている。これらの高移動度有機半導体では無機半導体と同様のバンド的な電気伝導が確認されているが、低温時のキャリアの振る舞いやスピンダイナミクスについては、未解明に部分が多かった。

今回の研究では、同研究グループが開発した大面積単結晶薄膜においてデバイス動作下での先端分光手法を用いて、高移動度有機半導体のスピン緩和機構を明らかにした。

また、同研究では有機半導体の電荷移動度がフォノンによるキャリアの散乱によって制限されていることを明らかにした。これにより有機半導体でも分子振動を抑制することによって、単結晶p型シリコン並の650cm²/Vsの電荷移動度を達成できる可能性があることが示された。

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