ブリストル大、手の動きを超音波イメージングで認識する技術を開発

人差し指を折ったときの、前腕超音波イメージング

ブリストル大学の研究チームが、前腕の超音波イメージングにより、手の動きを検知するシステムを開発した。超音波エコーによる胎児診断と同じように、前腕の筋肉や腱の動きを解析して、手の振りから指の折り方、角度など、様々な手振りを認識して識別することができる。スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスに搭載し、手振りを使った入力デバイスの開発が可能になる。研究成果は、2017年5月にデンバーで開催された、人間とコンピュータのインターフェースに関する会議「ACM CHI 2017」において発表されている。

VRやAR、ウェアラブルデバイスなどの普及に伴い、直感的で簡便な入力方法として手の動きを使うことが検討されている。手振りだけでリビングのライトを暗くしたり、指を折るだけでスマートウォッチの画面を切り替えるといったものだ。

ブリストル大学のBristol Interaction Groupに属するMike Fraser教授が指導する研究チームは、前腕の超音波イメージングを、手振り認識に活用することを研究している。超音波エコーによるイメージングは広く使われているが、研究チームは、画像解析アルゴリズムとニューラル・ネットワークを使って、様々な手振りに伴う折る指の種類、数、角度などを前腕の筋肉や腱の動きのパターンとして分類することに成功した。そして実際にモニター調査を実施し、認識精度を高めるためのセンサーの最適位置を詳細に決定した。

その結果、10種類の指の折り方について、98%以上の認識率という高い認識精度が得られることを確認した。加えて、このセンシング手法において、センサーを手首に装着することで良い結果が得られることを見出した。手振り検知と超音波イメージングを組み合わせてウェアラブルデバイスを開発する場合、スマートウォッチのような手首に装着するウェアラブルデバイスが有力な候補となるという重要な発見でもある。

コンピュータ科学科の博士課程院生Jess McIntosh氏は、「小さな携帯型の超音波イメージング・センサーをスマートウォッチに搭載するにあたっては、まだ多くの解決すべき課題がある。私たちの研究は第1ステップであり、将来的にはスマートウォッチを使って、最も正確に手振りを検知することができるようになるだろう」と語っている。

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Future smartwatches could sense hand movement using ultrasound imaging

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