栗本鐵工所は2018年1月12日、クロスカービームなど自動車構造体に適用できる熱硬化性樹脂を用いたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)中空体の成形技術を確立したと発表した。
自動車業界では低燃費エンジンの開発と並び、自動車部品の軽量化が求められている。近年では、部材の薄肉化などの限界から、金属材料から繊維強化プラスチック(FRP)への置き換えなど抜本的な軽量化が検討されている。
同社はこれまで、ガラス繊維を用いた引抜成形法によりコストを抑え、自動車構造体に適用できる品質と軽量性を持った製品の開発を進めていた。そして今回、これらの要素技術を基に、基材構成および繊維配向の最適化による中空体形状で、30%以上の軽量化とスチール同等の強度を得ることに成功した。
同社は、この技術により、GFRP中空体の自動車部品への適用範囲が拡がると想定。今後も、あらゆる移動体の軽量化ニーズに貢献できる製品の研究開発に努めるとしている。