大日本印刷(DNP)は2018年1月17日、曲面加工性に優れ、自動車などの湾曲したリアウィンドウなどに最適な軽量の樹脂ガラスを開発したと発表した。自動車等への提供を進めるとともに、ルーフスポイラーやテールランプカバーなどを一体成形した樹脂ガラス製リアウィンドウへの展開を目指す。
DNPでは印刷技術を活かした自動車関連事業の拡大に取り組んできており、2016年には「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」を開発し、またこれをポリカーボネートなどの樹脂の表面に転写して耐候性と耐摩耗性を向上させた「樹脂ガラス」を開発。2017年には転写フィルムを改良して曲面への追従性を高めた「曲面樹脂ガラス」を開発した。今回、その曲面加工性をさらに高め、デザイン性に富む機能部品を一体成形するリアウィンドウ等への展開を可能にした。
今回開発された曲面樹脂ガラスは、半径30mmまでの曲げ加工が可能だ。これまでの曲面樹脂ガラスと同じく、「超耐候ハードコート層」の転写による高い耐候性と耐摩擦性を持つ。
また、樹脂の押出しと同時にハードコート層を転写して曲げ加工を行うため、曲げ加工と成形の後にハードコート層を形成する従来手法に比べて工程を簡略化できる。このため大サイズ化しやすく、ハードコート層の均一性にも優れる。
さらに、重量は一般のガラスの約半分で、透明性はガラスと同等を保持。耐衝撃性も高く、一般のガラスと比べて割れにくい。
DNPは、今回の曲面樹脂ガラスを、自動車やバス、鉄道車両などのモビリティ用途に向けて販売し、2020年度に年間50億円の売上を目指すという。同開発品など、同社のモビリティ関連製品は、2018年1月17日〜19日に東京ビッグサイトで開催の「第10回オートモーティブワールド」に出展される。