二酸化炭素からメタンを製造するメタネーション技術のデモ装置を開発 IHI

ICES内に設置したメタネーション技術のデモ装置

IHIは2019年5月13日、シンガポール科学技術庁傘下の科学工学研究所(ICES)と共同開発したメタン化触媒を用いて、CO2からメタンを製造するメタネーション技術のデモ装置を開発したと発表した。

環境負荷を抑えつつ世界的なエネルギー需要増加に応えることは社会的な問題となっている。そのため、CO2の排出量抑止に加えて、CO2の回収/再利用技術の確立が求められている。

IHIでは、脱CO2社会の実現などに向けたさまざまな技術開発を行っており、その一環として、生産や発電の過程で排出されるCO2を回収/再利用し、水素と反応させることでメタンを生成する技術の開発に取り組んでいる。同技術の実用化に向けては、反応しにくいCO2を触媒によって活性化させることで、メタンへの変換効率を向上させると共に、反応時の発熱などによる触媒の劣化を抑えて耐久性を向上させることも必要になる。そのため、2011年からICESと共同研究を進め、高い反応効率と耐久性を兼ね備えた独自のメタン化触媒の開発に成功した。

シンガポールでは2019年1月から、発電所や化学工場などに対する炭素税の適用が始まっている。IHIは今後、CO2排出量削減を目指す電力、化学業界などへ今回開発した技術の提案を行っていく。同時に、国内での性能検証や実証を進め、大規模な実証実験も実施する予定だ。

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