量子速度限界が成立するのはミクロな運動だけではない――東北大が物理法則に潜む速度限界を発見

東北大学は2018年2月6日、量子速度限界は量子力学特有の現象ではないことを突き止め、物理法則に潜む速度限界を発見したと発表した。

原子や分子といったミクロなスケールでの運動においては、ある初期状態からその状態と最も異なる状態までに変化する時間を見積もると、これ以上は短くできないという限界、「量子速度限界」が見つかる。これまで量子速度限界は量子力学特有の現象であって、ミクロなスケールでのみ成立するものだと考えられてきた。

研究チームは量子力学の基本から見直し、量子速度限界の根本的起源が、量子力学特有の現象を引き起こす不確定性原理にはなく、さまざまな現象を記述する運動方程式に広く成立するものであることを明らかにした。それにより、マクロなスケールにおける集団現象の振る舞いを記述する多種の方程式において、さまざまな速度限界を発見するに至ったという。

同研究は、東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻の大関真之准教授と、東京工業大学理学院物理学系物理学コース博士課程1年の奥山真佳氏によるもの。アメリカ物理学会が発行する学術誌『Physical Review Letters』の2018年2月9日号に論文が掲載される。

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