三菱電機は2018年2月14日、モデルベースAIを用いた機器制御技術を開発したと発表した。システム開発の時間やコストの削減に寄与する技術だ。
モデルベースAIとは、試行錯誤を繰り返しながら自動的にモデルを構築して制御方法を学習するAI技術。今回開発された技術は、同社のAI技術「Maisart」を利用して、試行錯誤しながら制御対象機器モデルをシステム内部に構築し、あらかじめ設定した目標達成に必要な制御方法を、強化学習を用いて学習する。これにより、専門家が適切な動作を設定する制御プログラムの開発に要する時間やコストが不要となる。
円形迷路でボールを中心のゴールまで誘導する制御機器により実証した結果、制御プログラムを開発することなく、目標を与えるだけで機器が自ら制御方法を学習してゴールまで誘導することに成功した。
同社では、今回開発した技術をベースに、制御機器を模擬する3次元シミュレータ技術を活用して学習時間を削減するなど、自動学習のさらなる高度化/高速化を目指したAI研究開発を進める。