日本電気硝子は2018年3月1日、従来品と比較して深紫外線域での透過率が10%以上も向上した新製品を開発し、受注を開始したと発表した。深紫外線が必要とされるさまざまな装置の性能向上への貢献が見込めるという。
紫外線の中でも比較的波長が短い深紫外線は、殺菌作用や有機物の分解作用があるため、医療現場や食品工場などでは、深紫外線を発光するランプやLEDが使用されている。これらの光源を保護するために、深紫外線を効率的に透過させる石英ガラスや同社の深紫外線透過ガラスが使用されている。
同社の深紫外線透過ガラスは石英ガラスと比べて低温での熱加工が可能であること、LEDに広く使用されている窒化アルミニウムと熱膨張係数が近似であり、LEDパッケージのガラス剥がれや割れが発生しないなどの利点がある一方、深紫外線域の透過率が石英ガラスと比較して低いという欠点があった。
同社はガラス組成を見直すことで、利点を維持しつつ、250nm以下の深紫外線域で石英ガラス同等の深紫外線透過率を有するガラスの開発に成功した。波長200nm以下では従来品比で10%以上も向上したという。軟化点は石英ガラスに比べ1000℃低い約700℃であり、低温で封着などの熱加工ができる。また、金メタライズ膜、反射防止膜など各種薄膜も施せる。形も管や板形状の他、レンズやプリズム形状での対応も可能だ。
同社は3月6日から9日まで東京ビッグサイトで開催される「第7回 LED NEXT STAGE 2018」に同製品を出展する。