ガラス形成のダイナミクスは液体の構造が決定――ガラス転移の長年の謎を東大が解明

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東京大学は2018年3月16日、液体がガラスへ変化するときのダイナミクスが液体中の粒子配置(構造)によって決定されていることを解明したと発表した。

液体を冷やしていくと、冷却速度が充分遅ければ結晶に、充分速ければガラスになる。液体がガラスになる場合、液体を構成する粒子のダイナミクスは劇的に遅くなり、高温でサラサラだった液体は低温ではドロドロの液体に変化する。しかしこのとき、液体の粒子配置はほとんど変化しておらず、粘性が増大していく要因は解明されていなかった。

そこで研究グループは、局所的なパッキング能(粒子の詰め込み具合)が高い粒子配置が最も安定的で粒子が動きにくいはずであると考え、それを定量化。その結果、粒子の周りの構造が直接その粒子の動きやすさを決定しているわけではなく、ある特徴的な長さスケールでの構造の平均が、その領域での粒子の動きやすさを決定していることを発見した。そして、その特徴的な長さは、ガラス転移点に近づくにつれて、指数則に従って発散的に長くなること、ダイナミクスが遅くなるのは、粒子の運動には特徴的な長さに含む粒子数に比例した障壁を越えなくてはならないためであることを明らかにした。

研究グループは、この結果から、ガラス状態への転移は、粒子が込み合って遅くなるといったような現象ではなく、動きにくい粒子配置の発達をともなう熱力学的な現象であると説明。また、その理解には、従来の液体論の枠を超え、多体相関を考慮することが重要であると示唆している。そして、同成果は、長年にわたり謎だったガラス転移の起源解明に大きく貢献することが期待されるとしている。

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