- 2018-4-18
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- JAXA, Lockheed Martin, NASA, X-plane, コンコルド(Concorde), ソニックブーム(sonic boom)
NASAは、静粛超音速旅客機の実証機「X-plane」の発注先を、Lockheed Martinに決定した。契約金額は約2億5千万ドルで、契約期間は2021年末だ。
超音速旅客機といえばフランスとイギリスが共同開発したコンコルド(Concorde)が有名だが、超音速飛行により発生する衝撃波による生じる「ソニックブーム(sonic boom)」が深刻な騒音被害を生じさせるため、陸地の上空を超音速で飛行することが認められなかった。ソニックブームにより本来の性能を発揮できなかったことがコンコルドを商業的失敗へ導いた原因のひとつと言われ、2003年に同機が引退して以降、音速で飛行する旅客機は登場していない。
X-planeは、ソニックブームの発生を低減させた静粛超音速旅客機の開発を目的とした実証機だ。高度5万5000フィート(約1万7000メートル)を時速940マイル(マッハ1.24)で飛行し、車のドアを閉めた時と同程度の音圧に抑えることを目指している。
Lockheed Martinは、X-planeの設計および製作を行い、NASAによる検収後は静粛超音速技術が期待どおりに機能することを検証する飛行試験を行う。2022年中頃からは選ばれた都市の上空を飛行し、市民からの反応を収集する計画だ。
我が国でもJAXAが次世代静粛超音速機技術の研究を進めており、世界的に静粛超音速旅客機の開発が活発化している。近い将来、再び超音速旅客機が空を飛ぶ日がやってくるかもしれない。