国際レースへの参加を狙う、カナダの足漕ぎ潜水艇「Chinook」

カナダのブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアにある2つの大学、ビクトリア大学(UVic)とカモーソン・カレッジの学生達が、国際大会への参加を目指して手作りの人力潜水艇を作り上げた。UVicサブマリンレーシングクラブを中心としたチームが作成した潜水艇は「チヌーク(Chinook)号」と名付けられているが、一般的な潜水艦とは異なり気密性のない1人乗りの「ウェットな」潜水艇で、操縦者は呼吸のためにエアタンクに接続されたフェースマスクをつけて搭乗する。

左右への動きは自転車のハンドルバーのように動かすことができるラダーで制御し、中性浮力を調整できるエアダイアフラムを船体に沿って備えている。加えて、セーフティブイを放出したり、救難信号を発信するスイッチも装備している。

チームが目指す大会は、1人または2人乗りの足漕ぎ潜水艇によって競う「国際潜水艇レース(ISR:International Submarine Races)」。海洋に関する科学・工学を学ぶ学生に課題を与え、問題解決能力を磨くことを目的としたものだ。チームは、2018年7月3日~12日にイギリスのゴスポートで行われるeISR(European ISR)に参加する予定で、これまで3度にわたるテスト運転を終えたという。

レースの規定に従い、バッテリーやフライホイールなどの外部動力は一切使ってはならない。レースには18チームが参加するが、競技のポイントは単なるスピードだけではなく、その運動性も評価されるという。UVicサブマリンレーシングクラブの健闘を期待したい。

関連リンク

UVIC Submarine Racing Club
International Submarine Races website

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