米ボルグワーナーは2018年9月20日、バッテリーおよびキャビン向けヒーターの製品シリーズに、新たな高電圧クーラントヒーターを加えることを発表した。
この高電圧クーラントヒーターは、電気自動車(EV)とハイブリッド車(HEV)のバッテリーの動作温度を最適に維持し、バッテリー性能を向上させる。高い熱出力密度と低い熱質量による素早い反応によりバッテリーからの出力を抑えつつ、航続距離の伸長に寄与するほか、車内を短時間で暖めることもできる。
厚膜素子(TFE)を特徴とした、この高電圧クーラントヒーターは、サイズや形状も柔軟であり、低熱質量によって素早く反応する。高い熱出力密度を提供するだけでなく、ダイレクト温度センシングも可能。180Vから800Vまでの供給電圧、3kWから9kWまでの出力範囲に対応しており、高電流による過熱防止機能も搭載している。
この高電圧クーラントヒーターには、シングルプレートとデュアルプレートという二つのバージョンがあり、シングルプレートは、バッテリーの熱管理か車内暖房のどちらかのみ、デュアルプレートヒーターは、そのどちらも同時に管理できる。さらに、デュアルプレートヒーターは、2枚のヒータープレートを備えているため、シングルプレートと比較した場合に、最大で80%広い熱伝導面を提供する。
どちらのバージョンも、防磁性に優れたアルミニウム製のハウジングに組み込まれている。ヒートパッケージはクーラントで覆われており、熱出力損失を最小限に抑え、バッテリー駆動による航続距離の延長に寄与する。